現場の長でありながら、現場の動きに大きな見落としがあった上司。
憤る部下の突き上げを受けて、進み始めている新システムの機能追加計画を軌道修正する羽目に陥りました。
事がシステムであるため、これをすべてシステム室にお願いしてやってもらわなければならないのがツラいところです。
進み始めたら止まらないシステム関連のあれこれ
絶賛進行中である機能追加案件の当事者でありながら、自らその計画にストップを掛けて軌道修正を要求しなければならなくなった上司(彼はシステム会議のメンバーです)
いくら部下の突き上げに苦しむ身だとしても、要件定義の会議で下手に横車を押せば開発費が嵩むことは避け得ない。
というか、あまりムリなスケジュールだとシステム室だって断るでしょう。
協力会社だって同じです。
デスマ確定案件になるから二の足を踏む。

変更(裏切り)を切り出して晒し者に・・
恐る恐る切り出した話は、すぐさまCCに多数のアドレスが詰め込まれたメール、またはイントラの掲示板に載せられて(晒されて)関係各部署に共有されることになりました。
そうなると、当然ながらシステム室のみならず、他部署からも集中砲火を食らうことになる。
「もう進んでいるんですよ、あの話。なぜ今になって・・」
「だいたい、あの場であなたがゴーサイン出したから始まったことじゃないですか」
「ご主張は『ウチの業務増えちゃう』だそうですが、それならウチだってかなり妥協してますが?」
「今から変更していいなら、ウチの要望も追加してくれませんかね」

会議(?)は一気に活発化する。そして収拾がつかなくなる。
ことがシステム開発なのに、生産性とは真逆の方向へ進んでいく。
挙句の果てに、トドメの一言を食らう。
「だいたい、以前はそれでやれてたんですよね?」
いみじくも彼自身が部下に予告した ”拷問宣言” を、システム室から恭しく告げられる。
部下からの追及に逃げの一手として切り出したはずのフレーズだったが、いまや特大ブーメランとして彼に突き刺さることになった。
しかし、内心(これでシステム室の言質を取った)とも言えます。
「いやぁ~、結局ダメだったよ。なにせシステム室がさぁ・・」
と報告するための免罪符を得た気持ちになりつつも、現場のあの様子では納得しないと考え直してもう一押しする
エンジニアが了承してくれても・・
まあ、システム室はOKしたとしましょう。
かなりの補強が必要だという条件がつくのは当然です。
そして現実に開発費が跳ね上がる見積もりが出た。
それを経営者が受け入れる場合もあります。
でも、大抵は認められないでしょう。

「これが最後の追加仕様です。何とかこの分の予算を!」
宇宙戦艦ヤマトの ”終わらないシリーズ” みたいに「終りが見えない」追加に付き合っていたら経営が破綻します。
追加仕様の要望は、コンサートのアンコール並みに盛り上がる
とはいえ、追加仕様の話が出ると
「じゃあ、それさえ追加すれば、行き詰まっているこの問題は解決しますね!」
と、なぜかやたらと盛り上がることがあります。
本当は、話が行き詰まったストレスとプレッシャーがすごいから、何にでも飛びつきたくなる心理がそうさせているのですが、”技術” という看板を掲げた人から聞かされるとシロウトには効き目が大きい。
私はこれを「霊験あらたか」と皮肉っている。
こうして、コンサートのアンコールみたいな熱気で【追加仕様要望】が生まれる。

経営者はこれを断ると、下手をすれば要らぬ恨みをかう恐れさえあるわけですから、さぞかし大変ではないかと思ってしまいます。
<雑談は続く>







