【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

【MOUMOUヨーグルト】は実現可能か?

前回「おいしくて、しかも健康効果が高いヨーグルトづくりの黄金比率」に行き着いたはずの私ですが、さらにその限界を突破するプラチナ比率を考えていました。

 

キビ糖をてんさい糖に変更することで、クリーミーでまろやかな酸味と甘味のバランスは達成した。

しかし、私の野望はそこでは終わっていなかったのです。

blog.dbmschool.net

 

 

乳製品大戦勃発

前回のヨーグルト作りではクリーミーさが立ったという事実が、私の創造意欲を掻き立てる。 

せっかくの乳製品だ。この「クリーミー」を追求できないだろうか?

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材料に生クリームを投入してみたらどうだろう?

 

R-1ヨーグルトに含まれる乳酸菌たちにとってはブラックな職場環境になってしまうかもしれないけれど、生クリームなら親戚みたいなものじゃないか?

 

その前にやってみたい明治と森永の「乳業コラボ」

「ひがじん」さんという、高知でケアマネジャーの仕事をなさっているブロガーさんがおられます。

カフェ【MOU】を開業されるとのことで、準備されているようです。

 

www.higazin.com

 

【MOU】というネーミング

上の記事の中にも書かれていますが、【MOU】という名前には覚えやすさや検索のされやすさなどのテクニック的な工夫も凝らされていますが、やはりご自身の経歴から自然と浮かび上がるイメージに合致したネーミングである点に注目しています。

 

マーケティング技術として

いったんヨーグルトから話が外れます。

 

近年「ただモノを売る」という旧来の消費行動から脱却して「顧客とともに成長する関係」を築けた企業の成功例が目立つようになっています。

 

たとえば「DEAN & DELUCA」「パタゴニア」、それから「アヴェダ」といった強いメッセージ性のあるストーリーを持った企業には、共通する一大特徴がある。

 

お客さんは「買って、消費して終わり」ではなく

「買って(使って)から始まる物語への参加」を演出するビジネスになっているのが特徴です。

 

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ストーリー / DEAN & DELUCA

クリーネストライン - パタゴニアの公式ブログ

ミッション&受けつがれるもの | アヴェダ 公式 オンラインショップ

 

ミッションに参加する「ゲーム」

企業ミッションが顧客の参加を促す物語になっていて、チケット(その企業の製品やサービス)を買うことからストーリーが開始する。

 

RPG的に言えば、ストーリーに沿って進むうちに、自分のレベルが上がってスキルやアイテムをゲットし、仲間との出会いや、課題や使命への挑戦などを繰り返して次代へ引き継ぐレガシーを築く……。

 

そういうビジネスを展開する企業が成長するのは「お客様と共に成長する自分たちの会社」というテーマを持って運営されているからと言えるでしょう。

 

そして、そういった企業の創設者が持ち合わせているのが「自分の価値観の元となる物語」です。

いわばそれをビジネス化したから、ストーリー性を保っていられると言えます。

 

何より大事な「ネーミング」 で『指名検索』の対象になる

さらにもうひとつ、自社ストーリー生成の成功者たちが持ち合わせている要素は「ストーリーを一言であらわすネーミング」です。

 

お客さんは、その名を聞いた瞬間に、頭の中で様々なイメージを展開させる。

その中で、ネーミングの背後にある”物語”を想像する。

「イメージの連続体」である”物語”は記憶に残りやすい。

  

⇒ ゆえに、ウェブ検索がされやすい。

 

「近年のマーケティングの成功原則は『比較検索』されることから『指名検索』されることへの転換と言ったのはコンサルタントの神田昌典さんです。

 

SEO対策不要な『指名検索』は、大量の情報に埋もれやすいWeb社会の中で、悠々とブルーオーシャンを泳ぐことができる、と。

 

私はテレビ視聴を全くしないのでテレビ媒体のことはわかりませんが、上に挙げた3つの企業が、派手な宣伝をしているのを見たことがありません

 

そんなことをしなくてもDEAN & DELUCAのトートバッグを携えた人はいたるところで目にするし、パタゴニアの環境保全に対する取り組みや、アヴェダのアンバサダーになる誇りといったものは随所で熱く語られていると、上述の神田昌典さんは説明しています。

 

こちらのCDに収録されておりますので参考にされたい方はどうぞ。

前半部分だけでもかなり濃い目の内容です。

 

派手にお金をかけてマスメディアやその他の宣伝媒体を使わなくても『物語に参加したお客さんたち』が積極的にプロモーションしてくれる企業や商業施設などは、マーケティングの成功事例の最たるものでしょう。

 

ハードル上げといて開業準備中の方の話に戻る(ゴメンナサイ<(_ _)>)

  

と、さんざん風呂敷を広げておいて申し訳ありませんが、ひがじんさんの【カフェ MOU】は、名前の背景にあるご自身の生まれ年や経歴などの事実と、目指す方向性に一貫性があり、さらに、それら一連の象徴ともいえる牛の存在が、【MOU】という言葉から誰の頭にも浮かんでくるネーミングになっていることがとても興味深い。

www.higazin.com

 

実際には、客側はそこまで深く発信側の事情を知る必要はなく、「無理に作ったな」と思ってしまうような不自然さやいかがわしさが無ければ、個々にイメージを膨らませます。

 

お客様を迎える(呼び込む)側では、その手助けとなるイメージカラーやロゴ、商品やサービス構成といったものがあれば、自然と溶け込みやすくなる。

 

それに加え、自分の生活に重ねて他人に語りやすくなる「ストーリーの素」があればかなり強い(といったことを解説しているのが、上に紹介したCDです)。

 

活き活きとした牛さんをイメージ させた写真と名前のコラボ

個人的なことを言えば、かつてひがじんさんが使っていたブログのテーマで、真夏の青空っぽい写真のものがあったと思いますが、私はあれを見て勝手にですが、「青空の下に広がる草の大地、それと黒白模様の牛」をイメージしていました

 

丑年生まれで農業高校出身というご経歴のことはすっかり忘れた状態だったにもかかわらず、ブログデザインとカフェの名前を見ただけで、活力にあふれる牛の姿を思い描けたわけですが、おそらく私と同じ感覚を抱いたひがじんさんの読者もかなり多かったのではないかと思っています。

 

そんな事情もあったことで、ひがじんさんの記事に対して「アイスの【MOW】を使った『MOUMOUアフォガード』」なるもののリクエストをした私。

www.higazin.com

 

このことにより、今回は生クリームヨーグルトへの挑戦へ進むことを停止した私は、

 

自家製ヨーグルトに森永【MOW】を使うとどうなるか?

 

これを試したくなったのであります。

要するに【MOUMOUヨーグルト】は実現可能かどうか? です。

(ここでようやくタイトル回収できました)

 

ちなみに、アイスクリームの商品名は【MOW】ですので、正式には【MOUMOW】か【MOWMOU】のどっちかですね。

この記事では【MOUMOU】表記にしておきます。

 

いざ、【MOUMOUヨーグルト】へ

 さて、では満を持して森永アイス【MOW】に登場していただきます。

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桜咲く 「春限定パッケージ」です。

 

今回メンバー勢ぞろいの図

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前回のエース、てんさい糖は、味の紛れが起きないようにラインナップから外しました。

当然、甘味がウイークポイントになるのですが、そこは【MOW】140mlが持つ甘味料にカバーしてもらうとします。

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水あめと砂糖が使用され、さらにカラメルシロップの素材として再び登場する。

 

甘味料が何グラム程度の構成なのかが不明ですが、前回作ったヨーグルトでは70gのてんさい糖を使ったことと比較すれば、甘味は明らかに弱めになるでしょう。

しかし、味を確かめるために、今回はあえてデフォルト値のままで進めます。

 

アイスを材料に使えるのか? 乳酸菌はそれを処理できるのか?

わかりづらいですが、種ヨーグルトの上に【MOW】を落としたところです。

よく見るとカップの形がうっすら残っているのが確認できるかと思います。

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牛乳を少し入れて溶かしていきます。

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ずっと頭の中だけで考えていたコンセプトに、若干の疑義が生じます。

 

溶けた【MOW】は、「薄い甘味料」と化してしまうのではないか?

 

【MOW】特有の味わいが残っていてこその【MOUMOUヨーグルト】なので、素材の大半が「乳製品」であるこのアイスは、溶けたら牛乳の亜流として【MOW】たる威厳を失うことになるのではないか?

 

いや、それ以前に、乳酸菌は存分に働けるのだろうか?

固形化はキチンとなされるだろうか?

 

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心配は残りつつも、牛乳を満量投入して「40℃、7時間」をセット

 

できあがり

7時間後、容器をKAMOSICO本体から取り出します。

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もしかしたら、すべてが液体のままかもしれない。

さすがに乳酸菌たちも「こんなブラックな職場では、働けない」と仕事をボイコットしているのではないか?

 

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表面を見ると、キチンと固まっているのやら、いないのやら……

付属スプーンを置いてみれば、固形度は判明する。

 

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無事に固形化したようです。

しかし問題は、あくまでも『味』

 

望む味は実現できたか?

元々、際立って強烈な味を具えているわけではない、シンプルな素材が使われていると思われる森永の【MOW】。

 

やはり私の懸念どおり、ほぼプレーンヨーグルトといった出来映え。

美味しいことに違いはないけれど、期待したものとは大きく異なります。

 

この記事を書くまでの間に何度も味を確かめてみたのですが、口に含んだ瞬間と、飲み込むときに鼻腔に抜ける微細な風味の中に、微かに【MOW】らしさが残る程度です。

 

【MOW】が含まれていることを知っているからこそ気づける程度、と言い換えられるレベルでした。

 

これでは、私の味覚と嗅覚に異常が無いことが証明できただけで、とても【MOUMOUヨーグルト】と呼べるものではない。

 

ヨーグルトはおいしい、アイス【MOW】もおいしい。別々に…… 

あらためて【MOW】をそのまま食べつつ考える。

 

全体としての味わいで出来上がっているこのアイスを、分解させてしまうことはやはり好ましくない。

 

やはり森永【MOW】は、それ自体がメインになる食べ方の工夫をすべきです。

残念ながら【MOUMOUヨーグルト】は、成立しなさそうでした。

 

ただ、私は先日【大人のMOUMOUアフォガード】なる食べ方を発見しましたので、近いうちそれを紹介したいと思います。