朝倉哲也の恐るべきバター使用量。
圧巻の動物性脂肪摂取のことがどうにも気になってしまった。
そこで、バターのことをもう少し掘り下げてみます。
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バター(野望篇)、バター(完結篇)・・ではない!
この作品は上下巻に分かれており、上巻が「野望篇」、下巻が「完結篇」と題されています。
前回書いた食パンのくだりは野望篇のものですが、その後、彼のバター摂取の実態を表す別の記載が見つかりました。
美しさは求めてない、サンドイッチの具はチマチマ刻むな(by朝倉哲也)
完結篇の307ページにこんなシーンがあります。
分厚くスライスした玉ネギとチーズとバターを乗せたオープンサンドウィッチを頬張りながら新聞に目を通す。
句読点ゼロ(笑)
一瞬たりともスキを与えない食事描写だ・・
さて、『分厚くスライスした』のが玉ネギだけなのか、チーズとバターも”分厚い組”に入るのか?
常識的に考えれば、後者2品(チーズとバター)は薄切りな気がします。
というかバターは「塗る」と考えるほうが自然ではないでしょうか?
しかし、彼がパン一斤弱にバターを225グラムも使う、フランス人の常識をもぶち破る男であることを忘れてはなりません。
野獣喰うべし
そもそも、ワイルドで鳴った朝倉が、自分でパンを調理して食するときは、常にコールドサンドイッチで描写されています。
トースターが登場したのは京子が朝食を調えた時の一回のみです。
それ以外のシーンでは、パンはすべて常温のまま食しています。
「男がトーストなんて、『ワイル度』が落ちるぜ」
とでも考えているのでしょうか。
そこから類推するに、307ページのシーンでも、パンに乗せた分厚いバターを前歯でサクリと噛み割って食したに違いない。
「植物を喰っても力は出ない。やはり動物を噛み切ることで活力の源を生み出すのだ」
とか?
動物性タンパク信奉者の面目躍如といったところでしょうか。
朝倉にはHPゲージの他に「肉ゲージ」があるに違いない。
単位は絶対「キログラム」もしくは「ポンド」です。