【感情会計】善意と悪意のバランスシート

善と悪の差し引き感情=幸福度

せめて『ガソリン補助金』ならぬ『ガソリン価格抑制委託事業』にすべきだろう

ホーユーの倒産が騒ぎになっていますね。

 

「学校給食の会社が倒産」ということで大々的にネットニュースになりましたが、官公庁などに広く入り込んでいたという事実が、単なる一事業者の経営破綻では済まない実態として明らかになってきた感があります。

給食停止のホーユー、破産申請へ。行政による安価な契約の押し付けに同情を集める反面、ベトナム実習生への搾取&不当解雇で裁判沙汰の過去も | マネーボイス

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ちなみに、帝国データバンクの速報では大変簡潔な記述です。

資本金1千万なので、商法の規定で言えば最小単位。

全国展開するほど活発に動いていたわりには、増資もせずに小さな身代のまま今日を迎えているあたり、どんな経営方針だったのかとても気になります。

www.tdb.co.jp

 

『委託』と『請負』って何が違うの?

ホーユーは官公庁の仕事も手広く受けていたとのことですが、おそらく請負事業だったのだと思われます。

 

国が民間企業に依頼する事業は『委託』と『請負』に分かれます。

 

私は、この手の事業は請負ではなく委託事業にしたほうが良いのではないかと個人的には考えています。

 

『委託』は注文主が管理する

『委託事業』とは補助金の一環に分類されます。

その影響もあって、平成8年か9年の補助金適正化法の改正で、民間委託はバサバサと切られて『請負事業』に変換された。

 

当時、局の会計を担当していた私は、国の機関にいながらもノンポリの極致ともいうべきお花畑人間でしたが、さすがに自分の業務に関わることのため、自分なりに最低限の知識を持つようになりました。

 

簡単に言えば、『委託』と『請負』の違いは、依頼する国の側からみれば以下のとおりです(あくまでも当時の私の解釈です)。

 

委託事業・・事業の実施にあたっては、その手段、方法、プロセスについて国が管理監督の責任を持つ(ゆえに、契約終了時に精算書類を出させて精査する)

 

請負事業・・事業の実施にあたり、その内情に国は関与せず、契約締結後はただ成果物の提供をうけるのみ(支払いを行うだけ)

 

手段は問わない『請負事業』・・だから中抜きもし放題?

請負事業では、請負業者がどんな手段を用いて実施しても、とにかく「出すもの(結果)を出せばよい」とするものです。

 

ホーユーはベトナム人技能実習生から搾取したような過去を持ちますが、仮に国家機関の事業にあたってそのような行為が行われていた場合、『委託事業』ならごまかせない事柄として実態が浮き彫りになったかもしれないが、『請負事業』なら気づかれないまま ”国の事業” が進むこともあり得る。

 

国家機関の事業でなくとも、たとえば給食事業なんかでそんなことが起きていて、それが許されるのか?

 

ダンピングで入札を勝ち取った業者が、無茶なダンピングを成立させるために性質の良くない手法をとることを許さないために、『請負事業』という隠れ蓑を認めないことが必要なのではないのか?

 

『小さな政府』では、必然的に請負が増える

やたらと民間に責任をぶん投げてしまう『小さな政府』では、委託事業のような、国の管理の手間を要するものが ”請負化” する現象が起きる。

 

電通に丸投げして中抜きし放題のあの悪しき形も、請負ならやり放題になってしまう気がしてならない。

 

本来なら、コロナ禍におけるマスクの提供なんてのは、『大きな政府』が行うべきだったのではないか?

 

コロナ禍という国難において飲食店や旅館などの特定業者支援をしたいなら、それを行うのはやはり『大きな政府』でしょう。

 

コロナ禍に続いて、デフレ禍という国難に遭遇している状況において、ガソリン価格抑制に補助金という施策を取りたいのなら、せめて『委託事業』でやったらどうか?

 

元売り業者がどんなプロセスで最終価格に調整を加えているのかは、国が責任を持って管理監督すべきだと思う。