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ひとりだけ味方をつくるリーダー術

※「ひとりだけ味方をつくる」と銘打っていますが、味方になってしまうのはひとりではないかもしれませんので、きっかり一人だけを味方にしたい方は、書かれているとおりのことをしないでください。

 

「協力者」は交渉で得られるが、「味方」は交渉で得るものじゃない

テレワーク環境を作るための各種申請受付と、設定作業のコーディネートは、どうやら山を越えました。


まだ連日依頼はあるのですが、ひところのとんでもない、鳴るような多忙さはすっかり息をひそめまして、ようやく時間の感覚が普段に近づいてきました。

 

blog.dbmschool.net

とはいっても、ピーク時に手を付けられなかった他の申請や各種業務が溜まっているため、遅ればせながらそれらに着手しなければならず、寝かせていただけに催促もあって急がなければなりません。

 

疲労する自分を無視せざるを得ない「緊急事態」への対応

ルーティンの繁忙期と、一過性の緊急事態は、どちらも組織を消耗させるものですが、メンバーの意識は大いに違います。

 

月次の締めなどルーティンの繁忙期は、オフィスの中が市場にでもなったように過熱し、ときに乱暴なやり取りが為されたりしつつも、決まったことを決まったメンバーが慣れた様子でこなすことには変わりなく、各人の様子は普段どおり。

特にテンションが上下するわけでもないのが普通です。

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旅かじりさんによる写真ACからの写真


しかし、異常事など一過性の緊急事態では、普段どおりとは言えない雰囲気がオフィスを覆い尽くします。


その業務のメイン担当であるあなたは、先の読めない事象が連発するため気を抜くわけにはいかず、ボリュームも想像がつかないためペースダウンする時間を捻出するきっかけが無い。

 

オーバーフローを防ぐため、他所の部署に応援を頼んでもらったのは良いが、未経験の作業を依頼するため付け焼き刃の講習を行って、普段なら不要のチェック工程を急きょ追加する必要が生じる。


不慣れな人間が接客しなければならない場合もあり、通常はあなた自身が作業者なのにもかかわらず、作業よりもエスカレーション対応者として後方へ下がらなければならなくなり、職場におけるリズムがまるっきり変わってしまうこともある。


変化に伴うストレスと戦う毎日が、峠を越して一段落つき、ありふれた日常に戻ってきた実感が湧いてくるころ、あなたは疲れた体を奮い立たせて元の作業者として前線に復帰します。


職場では、臨時応援部隊への感謝をはじめ、関わったメンバーへのちょっとした慰労が用意され、密度の濃かった期間を乗り切った仲間同士が称えあうひと時が訪れます。


その数日前から、あなたの業務にはノイズが生じ始めました。

 

片付いた後も油断ならない「緊急事態」の後処理

期間内に皆の協力を得てこなし切ったし、不慣れな応援者たちの仕事はあなた自身がエスカレ対応の合間を縫ってチェックしてきた。
問題と言えるほどのものは無かったはず・・

 

ただしそれは沸騰した最中、クオリティよりも完結が何より重視される状況で、綱渡りのように危なっかしく終わらせたチェックにすぎない

 

それに、出口をチェックしてOKだったとしても、入口での錯誤が見逃されていて、顧客ニーズが正しく反映されていない処理が行われていただけだったら、あなたのチェックではOKでも、提供を受けた客は「頼んでたものと違うじゃないか!」とクレームを入れてくる。

 

ルーティンとは異なる繁忙期が過ぎた後に、必ずと言ってよいほど発生する「品質問題」です。

ここ数日あなたの業務に生じ始めたノイズは、品質問題による後処理です。


これは、ルーティンに近い動きで解消されそうに見え、それほど負荷は高くないような気がしますが、「ルーティンに近い異なる性質のこと」は、意外に手を焼く厄介者なことが多い。

本当は終了後まで協力要請が必要な「緊急事態」

ある病原菌を殺すための薬として、その病原菌の栄養素に近い物質が使われることがあると、何かの本で読みました。

 

それによると病原菌は、自分の栄養素だと感知して体内に摂取するが、実際は異なる物質のため分解・運搬・吸収がことごとくうまくゆかず、代謝不全を起こして死滅するといった作用であるようです。


慣れた業務と思って手を付けるが、すべてちょっとずつ配列や順序が異なったり、仮置きする場所が別であったりする作業を、普段どおりに発生するルーティンと並行してこなさなければならないと、テンポが違って調子が出ないことがある。

 

それによりミスを生んでしまったり、その防止のために余計な神経を使って二重チェックが必要になったりする。


この状況に直面したことがある方は、共感頂けるかと思います。


つまり、関係者が「終わった終わったぁー!」と浮かれている頃、その業務の担当者であるあなたは、応援を得られるどころか苦労を理解されずに孤独に苛まれていることがある。

 

満を持して試されるリーダー力

もしもそのとき、あなたの上司であるリーダーまでもが「いやぁー大変だったねみんな。でも終わったよ良かったなー!」と浮かれて騒ぎ、品質問題などには全く関心も払っていなかったら、あなたは何を感じるでしょうか?


それどころか
「もう終わったのにいつまでも何やってるの?」
「パッとやってパッと終わらせたんだから、気持ちを切り替えて!」
「さあ、明日に向けて前向きにやんなきゃダメだよ。仕事も人生も同じだよ」

 

なんてこと言われたら、「どこに目を付けてやがるんだコイツ」と思うかな?


いや、それならまだいいです。
そこで攻撃性を持てるなら、あなたの自我はしっかりしている。

 

でも世の中には、そんな思慮の少ない言葉を投げつけられたときに、傷ついてしまう人もいます。


「そうね。せっかくこんな大勢に助けてもらったのに、まだこんなに問題抱えて時間とって、いまだに片付かないなんて、私ってホントにダメなのね」

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acworksさんによる写真ACからの写真


この場合何が失格かって、リーダーが失格。

 

このリーダーは、関わった協力者たちに迎合し、大勢を味方につけています。


あるいは迎合しているわけではなく、本気で誰よりも浮かれているおめでたい奴で、そんなところがみんなに愛されているのかもしれません。

 

ただし、この記事のコンセプトは「ひとりだけ味方をつくる」

 

大勢などはかなぐり捨て、たった一人で自分を責め、孤独と過小評価に苦しむ部下を気にかけるべきです。

 

一過性の緊急事態の後にやってくる「品質問題」なんて、リーダーの教科書の目次のすぐ後に書いてあるような初歩的なことです。


そのぐらい予期してすぐさま手を差し伸べてやらなくて、何がリーダーであるか!

 

胴上げしてくれる大勢の味方など、放っておいても差し支えない。


沈み込んでしまいそうな部下ひとりを味方にしてから、再び輪の中に入ったところで大勢に影響はないということを忘れてはなりません。