早く目的地へ着きたくて、急ぎ足(早歩き)になることは、誰にでもよくあると思います。
そのとき、つい足先の筋肉に負荷をかけがちではないでしょうか?
個人差があるでしょうが、足首回りや脛の回りの筋肉が酷使されがちだと思います。
細い筋肉を頼みの綱にすると・・・
焦る気持ちの受け皿は、作用点の近くに集中しがち
地面を蹴ることで前進するから、急ぎ足の作用点「足の裏」に近い足先が酷使されることになります。
しかし、すぐにその部位が疲労の極に達し、限界がきて足を止めざるを得ない。
それで結局、願ったほどに急げていないこともよくある。
あるいは、がんばって歩き切ったとしても、パンパンに張って痛み、しばらくは足を引きずって歩く羽目になるなど、ツラい思いをすることもよくあるでしょう。
気持ちが前のめりになったことと、身体の使い方がうまくコントロールできていないことが重なっていることが、大きな要因と言えるでしょう。
その状態で、早く足を出して前へ進もうとするとそうなります。
自分の体重の重さを運ぶには太い筋肉が適任
そもそも細い筋肉に担当させるべきことではなかった
ということになります。
より体幹に近い位置の「太い筋肉」に担当させれば楽で安定的
私は今年1月の半ば頃から、会社帰りの電車では混み始める駅の前で降り、そこから歩くことにしています。
乗車時間10分あまりの区間を、約1時間かけて歩いています。
といって、のんびりした気分ではありません。
翌日も早起きするので、早く帰りたい。
慢性的に「急ぎ足」の状態です。
それを1時間程度持続しなければならない。
力任せなやり方では到底成し得ません。
ウォーキングは、実は速い
昨年8月から、自粛による体調不良を脱すべく、ウォーキングを始めました。
今年1月からは、休日にしかしなかったウォーキングの機会を「会社帰り」に拡大した恰好です。
ただ、上述したとおり、会社帰りのウォーキングは、早く家に到着したいという切迫した願いと共に行われます。
速度の向上が、非常に強く求められている・・
必要なのは「筋力」じゃなく『バランス力』
運動不足解消で始めたウォーキングですが、始めた当初、左右の脚の動きの不揃い具合に驚かされました。
もしも、この状態で速足などをしたら早々に疲労困憊した足は悲鳴を上げ、足の各関節はおろか腰や背骨まで悪影響を受けるのは必至。
さらには、内臓にまでダメージがあったのではないかと思います。
まずは、左右バランスの確保が最重要事項となります。
筋肉の”適材適所”
早く歩くには、足の付け根近くをどれだけうまく動かせるかが重要になってきて、そのためには腸腰筋がアクティブに使えているかが重要になる。
結局、均一な左右バランスを心がけるうちに、下肢と上肢のスムーズなリンクのさせ方にも意識が高まり、結果的に腰回りのインナーマッスルが強化されてくる。
足先の細い筋肉は出力も小さいし、不自然な負荷で自重をコントロールしようとするため無理が利かない。
その一方、体幹やその近辺の筋肉は出力も大きいし、安定的な負荷ゆえに無理なく運動が持続でき、「自分の体重を素早く移動させたい」という目的に照らして最も合理的です。
細かい作業が得意な特性の「足先」
足先の筋肉は、あくまでも微調整のために使うべきです。
ギャップの感知や吸収でスムーズな動きの補助をするとか、着地時の重心の移動を円滑ならしめるミューのコントロールなど、比較的微細な役割があります。
適材は適所に。
太い筋肉(足の付け根近くやインナーマッスル)にはもっぱら出力を担当させる。
歩行時にインナーマッスルを躍動させることができれば、継続して内臓にも刺激を与え、臓器を健康的に強化できる。
コロナ過で一躍脚光を浴びている、免疫力をはじめとした「身体の基礎的な強度」に、ウォーキングは手軽で効果絶大ですが、どの筋肉をどう使うかという命題と、バランス力を制する課題をクリアした人こそ、コロナ過に最適な身体を手に入れることができるのでは?と感じています。