物語の10日目 11月18日(金)pm6:30頃
会社を定時あがりして冷え切ったアパートに帰宅した朝倉哲也
昨日昼、会社で出前のラーメンを喰い、その後サテライト飯場(会社の裏通りにある中華ソバ屋)でも特大メシを喰らいつつ、指定時間どおりにGet Wild退店する偉業を成し遂げた朝倉。
ひとり静かにターゲットの中華ソバ屋をあとにするハードボイルド戦士にとっては、そんな偉業も数多いアルバムの中のほんの一葉にすぎない。
<息詰まるスペクタクルな『Get Wild退店』の様子はこちらの記事でどうぞ⇩⇩>
さて、今日はどんなハードな食事になるだろうか?
♪ 寒さこらえて、飲んでます
朝倉がアパートでストーブを使う描写はありません。
ハードボイルドがヌクヌク温まっている姿なんて、どうにも似つかわしくない。
タバコの火口のわずかな熱量さえあれば、ハードボイルドの朝倉にとっては充分な暖房になるのでしょう。
朝倉は安ウイスキーをラッパ飲みすると、棚に残っていた三つの鯨の罐詰の蓋を開いて、ガス台の火にかけた
冷え切ったアパートの一室で、今夜は強い酒をあおって暖を取るようです。
飲むこと自体がエクササイズになれば、一石二鳥の暖房効果
以前にも登場した『安ウイスキー』
アルコール度数30以上でないと酒認定しなさそうな朝倉は、ウォッカをラッパ飲みしたことさえあります。
<こちらの記事です⇩⇩⇩>
かつてのシーンで、給料一月分以上の臨時収入があったにもかかわらず、安ウイスキーをたったの2本しか買わなかったことに疑問を感じた私は、朝倉君にピッタリのウイスキーを探してあげました。
<それがこちらの記事⇩⇩>
どんなウイスキーかといえば、これ⇩⇩⇩
ブラックニッカ クリア [ ウイスキー 日本 4000ml ]
ダンベルクラスの重量を持つコイツをラッパ飲みするには、腕だけでなく腹筋や背筋など体幹の力も要するでしょう。
朝倉哲也は、飲むことで暖を取れる男なのです。
開けにくい蓋もエクササイズに利く! 一石三鳥の暖房効果
『蘇る金狼』の舞台である昭和41年には、ペットボトルはありません。
瓶だったはずです。
4リットル入りなんてのもなかったでしょうが、ここでは何とか目をつぶってもらうとして、それよりも問題はキャップです。
ペットボトルのキャップのように、回して開けるタイプの金属製のフタであったことを期待したい。
やっぱりあれが手軽です。
ですが万が一、ウイスキーの瓶がコルク栓だった場合でも、朝倉君にはこれがあります。
瓶の首を叩き割って飲むのもハードボイルドのたしなみ。
「私の血にはウイスキーが流れている」
ただしこのときは、空きっ腹にいきなりのストレートだったためか、さすがの朝倉も胃袋が戸惑っていたようです。
胃のなかで落ち着かなかったアルコールも、煮えたぎった鯨肉が胃に送りこまれてくると、ゆっくりと血管にまわりはじめた
初めてこのくだりを読んだときには違和感だらけでしたが、飲んだアルコールの2割は、胃から吸収されて血液に送られるとのことなので、この記述は正しいことになります(鯨肉の必要性は大いに疑問だが)。
なにはともあれ、凍えや空腹を、朝倉はこうやって乗り越えるのです。
暖房を使うと、きっとハーフボイルドになるんだ
朝倉は酔いの力を借りて、身震いしながらベッドにもぐりこみます。
腸を経由して時間差で訪れる、のこり8割のアルコールとともに、彼は眠りにつくのでした。
しかし、寒いとはいえまだ11月。
寒の入りはまだ先だというのに、木造アパートで火の気もない部屋。
朝倉はずっとこのまま過ごすのでしょうか。
意地なのか何なのか・・暖房買えばいいのに。