西武ライオンズ黄金時代に「AK砲」とか「AKD砲」でお馴染みだったホームランバッターの一人、秋山幸二選手は『走れる大砲』なんて言われていたことがあります。
同時期のホームランバッターとして南海の門田や阪急のブーマーなどのスター選手が走りにはまったく定評が無かった中、センターで広い守備範囲を誇った秋山さんは正に走攻守そろった名選手だった。
大柄でビルドアップした姿は、いかにも力がありそうな雰囲気ですが、そこにスピードを兼ね備えていた点で、私は四番の清原選手よりも秋さんのほうが圧倒的に好きだった。
定番チーズケーキに手が出なかった過去
さて、「スタバのチーズケーキ」
20年くらい前からよく知っているメニューですが、当時のチーズケーキといえば、あまり日本人向けの味わい及び食感とはとても思えなくて、とにかくどぎつかった印象です。
現在でもチーズケーキは定番メニューでありますが、昔のあの感じが記憶に残っていて手が出なかった。
しかし、最近改めて食べてみると、相当様変わりしていることを実感します。
かなり研究されたのではないかと思っています。日本人向けに・・
しかし、かなり強めの味と、舌をはじめ口の中の全粘膜をコーティングする往年のあの食感の名残は健在です。
一体どうしてこんなにストロングなのかと思いつつも、これを維持するスターバックスにとって、チーズケーキはケーキ類で不動の四番打者なのでしょう。
三番打者的なチーズケーキの面白さ
やはり『四番』となってしまうと、その重責は逆に重荷(プレッシャー)になってしまうのかもしれない。
それだけに、『四番の座』に縛られないけれども四番級の実力を持つ三番打者の個性が発揮されるチームの戦いは、何が起こるかわからないドキドキとワクワクをもたらしてくれます。
西武の三番、秋山選手にはそんな魅力がありました。
ON時代の王選手も、「長嶋さんより先に打ってしまうかも・・」というドキドキを、打席のたびに演出したことでしょう(特に長嶋さんに対して)。
そんな三番打者が、この『パンプキンのバスクチーズケーキ』
四番「チーズケーキ」よりもダークな見た目です。
スタバの店内の、あのダウントーンの照明の中だと、なお一層重厚感を増す。
軽やかにダッシュできる身軽な三番打者の実力を分析する
「これのパンチ力は、あのチーズケーキよりも強烈なのでは・・?」
そう思いながら口へ運ぶと、その予測はあっさり裏切られます。
つまり⇧⇧⇧このチーズケーキとは全く個性が異なる・・
パンプキンが良い仕事をしているわけですが、パンプキンを引き立てるスパイスたちが、さらに良い仕事をしている。
まず、すぐに分かるのはシナモン。
これはほんの少し前に食べた『スイートポテトシフォンケーキ』の目立つ特徴で、私のアンテナが立ったままだったためすぐに分かったけれど、このバスクチーズケーキではさらにナツメグとジンジャーが使われているそうです。
看板であるパンプキンの風味が失せてしまわないようこの爽やかなスパイス群を使い、しっとりでサラサラ感のチーズケーキに仕上がった感じ。
四番級の力を持ちながら、あえて四番の脇を固める存在ですね。
季節のおすすめメニューゆえ定番とは言い難い点を加味すれば、助っ人外人デストラーデを当てても良いのですが、やはり身軽さが引き立つので、指名打者デストラーデよりも、グラウンドを駆け回るセンターの守備を務める三番打者の秋山さんに軍配が上がる。
”走攻守” ならぬ ”爽厚趣” とでも言っておきましょうか
爽やかで重厚感を持ち、その趣きある姿が、不動の四番打者と並ぶ強打者であることを如実に表している。
ちなみに重厚感もしっかりとあるので、7割から8割食べた時点で充分に堪能できるのですが、全部食べ切ったからといって重い食べすぎ感といったほどのことはありません。
このあたりが『三番打者』たる所以かもしれませんね。
ドンと打つ大砲でありつつも軽やかさを兼ね備える ”走れる大砲”
その意外な軽さを味わってみてください。